アサギマダラの移動
アサギマダラは、春は南より北上し、秋は北から南下する事が、マーキング調査によりわかっています。
同じ個体が北上と南下をするわけではなく、別の世代の個体がどちらかの移動を行います。
「アサギマダラが好むフジバカマを毘沙ノ鼻に植栽したら、アサギマダラが飛来するか?」
下関市山陽小野田市在住の、長州アサギマダラの会の福村拓己会長にご協力をいただき、毘沙ノ鼻休憩ポイント計画を始めました。
福村さんは10年以上、蓋井島や吉母などで調査をしていらっしゃいます。
2020.10.31 毘沙ノ鼻に旅した蝶
case1
10/26撮影
毘沙ノ鼻にて吉母小PTAの方が撮影しました。
アサギマダラの会に情報提供し、栃木県日光市でマーキングされた蝶と判明しました。
西南西へ831kmの移動
移動日数86日
マーキングされた方は、8月15日付山口新聞「アサギマダラ790キロの旅 下関⇒東京・高尾山」の際にも情報協力されたそうです。
case2
10/26撮影
毘沙ノ鼻にて同じく吉母小PTAの方
調査の結果、新潟県妙高市から飛来した蝶でした。
兵庫県明石市で当時小学生のお子さんと一緒にマーキング会に参加したのがきっかけで、毎年親子でマーキングを楽しんでいるそうです。
新潟県妙高高原から山口県毘沙ノ鼻まで旅した蝶が、
遠く離れた同じ体験をした親子を結びました。
東南東へ723kmの移動
移動日数76日
8/11撮影妙高高原にて
(文中の明石市在住様より提供いただきました)
case3
石川県白山市 尾口公民館館長さん
新型コロナウイルスの影響で公民館事業がなかなかできない中、9/22に尾口公民館の敷地内でマーキング会を行ったそうです。
その時に館長さんがマーキングした1頭が、毘沙ノ鼻に飛来しました。
2020.10.28 アサギマダラ調査の裏話
アサギマダラ が渡りをする蝶であると判明したのは、全国の愛好家の皆さんのおかげです。
毎年、何百・何千頭の蝶にマーキングし、何日かかって何キロ移動した、というデータの蓄積に基づくものです。
一期一会の奇跡です。
この2週間に毘沙ノ鼻で確認できた標識蝶は、新潟県妙高高原 、長野県小諸市 、石川県白山市 、広島県三次市 、滋賀県大津市、山口県内では山陽小野田市竜王山 、周防大島・・・
この情報だけでも、各地で多くの方がアサギマダラ に関わっているのを垣間見る事ができますね。
今回ご協力いただいた、長州アサギマダラ の会代表の福村さん。
活動10年目になるそうです。
過去には、効率的にデータが取れないかと、リフレッシュパーク豊浦で人工孵化してマーキングした蝶を飛び立たせようとしたそうです。
しかし、その場で落ちてしまい飛ばない蝶が多数・・・
思い通りにはいかなかったそうです。
再捕獲される蝶は自然の中で生まれ、過酷な旅に耐える事ができる強い蝶なのですね。
「かわいい子には旅をさせろ」ですね。
マーキングする際は、土地所有者の方や周囲の方に説明して了承を得て『調査中』の腕章をして作業にあたります。
しかし『網を振って、捕獲して放蝶』(調査)という行為は、知らない人から見ると、
・何してるの?(疑)
・蝶がかわいそう(泣)(哀)
・逃げていってしまうじゃないか(怒)
写真を撮る人にとっては、
『ベストショットを狙って忍耐強く待っている状況』だったり、
鑑賞したい人にとっては、
『その美しい姿を見たくて、遠くから足を運んできたのに』
という思いがあります。
知っていれば許容できることも、知らないと嫌悪感さえ生まれてしまうこともあります。
例えば、鉄道愛好家の場合、「撮り鉄 」「乗り鉄 」「呑み鉄」と『好みは色々なタイプがあるよね』と認知されています。鉄道ファンの人数は桁違いです。
今話題の「鬼滅の刃」に登場するキャラクター「胡蝶しのぶ」
アサギマダラのキャラクターですので、また違うタイプのファンが増えるかもしれません。
アサギマダラ の認知度が低いために生まれてしまうギャップ。
愛好家の皆さんの活動やアサギマダラ について、多くの人に知ってもらって
『アサギマダラ の楽しみ方は色々なタイプがあるよね』と、
認め合う人が増えてほしいという願いを込めてお伝えしました。
2020.10.19 吉母小マーキング体験授業
アサギマダラの会 長州アサギマダラの会代表福村さんご指導のもと、吉母小のみなさんがアサギマダラのマーキング体験授業を行いました。
朝学習で本物の蝶と同じサイズ(約5cm)の写真にマーキング練習をして、いざ本番!みなさん怖がることなく、優しい手つきでマーキングしました。
「頑張ってね~!」と送り出したアサギマダラ。南下して九州や沖縄、台湾まで渡る蝶はいるでしょうか?
2020.10.6 毘沙ノ鼻初飛来!
9月下旬から、ちらほら飛来情報がありましたが、とうとう毘沙ノ鼻にもアサギマダラがやってきました!
撮影:安冨静夫さん
2020.5.22 植え付け~お手入れ
雑草の除去作業を行いました。
2020.4.4 フジバカマ植栽
海を渡り、旅をする蝶【アサギマダラ】
毘沙ノ鼻がある吉母御崎地区には、アサギマダラが大好きな、スナビキソウやフジバカマが自生し、長旅の休憩ポイントになっています。
公園内にフジバカマを植栽して、アサギマダラの休憩ポイントにする計画に、自治会の皆さん、吉母小PTAの皆さん、子ども達、力を合わせて作業していただき、立派な花壇が完成しました。
山陽小野田市アサギマダラの会、福村さんにもご協力をいただきました。
10年前から毎年御崎地区と蓋井島でアサギマダラの観察、保護活動をされておられます。
アサギマダラの幼虫、珍しいサナギも見せていただきました